峰守雑記帳

小説家・峰守ひろかずが、見聞きしたことや思ったことを記録したり、自作を紹介したりするブログです。峰守の仕事については→ https://minemori-h.hatenablog.com/

2月17日の「異類の会」で話しますというお知らせ

 先の日記で書いた通り先日「花咲くいろは」を見終えまして、今は同じ制作会社によるお仕事アニメシリーズであるところの町おこし奮闘記「サクラクエスト」を見ているんですが、これが予想以上に地方のリアルの話をやっており、なおかつフィクショナルな部分とのバランスも好みで、回を追うごとに胸がいっぱいになっています。やっぱ2クールあるオリジナルアニメは描写が丁寧になっていいですね。観光協会会長と商店会会長のロックな過去が明かされるエピソードで泣いてしまった(ここまで挨拶)。

 

 閑話休題

「異類の会」という団体(学会?)があります。

 異類というのは人間以外のキャラクターのことで、要するにお化けとかUMAとかですが、そういうのについてプロやアマの研究家の方が研究報告・情報提供・談話などをする会です。

 この会主催の発表会が毎月行われているのですが、その第141回(2024年2月17日オンラインにて開催予定)にて、「予言獣大図鑑」の共著者である長野栄俊さん・笹方政紀さんとともに発表する運びとなりましたので、ここでもお知らせしておきます。

irui.zoku-sei.com

 

 私はひとまずこんな感じ↓の話をする予定です。

予言をしなくなった予言獣 誰がいつアマビエを変えたのか

 

 「予言獣大図鑑」の拙稿「予言から疫病退散へ」では、コロナ禍を経て、報道や一般書におけるアマビエの在り方が「予言する妖怪(予言獣)の一種」から「疫病退散祈願のシンボル」へと変質したこと、また、アマビエの疫病退散属性は決してコロナ禍をきっかけに生まれたものではなく、従前から存在していた萌芽がコロナ禍をきっかけに大きく取り上げられた結果として起こった可能性があることを指摘した。

 ここで起こった変質は特定の個人や団体の先導によるものではなく、複数の公共機関、マスコミ、商業施設、SNSユーザー、識者らがお互いに不確かな情報を参照し合うことによって、存在しなかった伝承(史実)がごく短期間のうちに作り上げられ、規定事実化するという現象が起こったものと考えられる。

 だが、変質のタイミングはどこかに存在するはずである。今回は、報道等に見られるアマビエの説明の変遷を通じて、いつアマビエは疫病退散妖怪という個性を確立したのか、アマビエを変質させた主体がどこにあったのかを考えてみたい。

 

 こいつまたアマビエの話かよ!と思われそうですが、そして「予言獣大図鑑」の拙稿と被る部分も多いですが、あっちの原稿で使えなかったネタや、あれを書いた後に見つけたネタも入れています。私は研究者としてはド素人なので、キレのいい発表にならない自信はありますが、異類の会は参加申請さえすればどなたでも参加できるはずですので、ご興味おありの方はよろしければお越しください。ではでは。