峰守雑記帳

小説家・峰守ひろかずが、見聞きしたことや思ったことを記録したり、自作を紹介したりするブログです。峰守の仕事については→ https://minemori-h.hatenablog.com/

「少年泉鏡花」関連で受けたインタビュー記事まとめ

 先月「少年泉鏡花の明治奇談録」という本を出しました。タイトル通り少年時代の泉鏡花を主人公とした話で、奇しくも今年は泉鏡花生誕150周年であり……というかそこに乗っかって通した企画なんですが、おかげさまで鏡花絡みの記事にインタビューなどいくつか載せてもらいました。前の記事と被るところもありますが、備忘のためにもまとめておきます。

 

・お化け、妖怪に没頭 科学万能主義正面から反発(読売新聞2023/09/17)

www.yomiuri.co.jp

 

漱石でさえ苦言、でも「止められぬ」 “おばけずき”泉鏡花の魅力(毎日新聞2023/8/2)

mainichi.jp

 

・少年の鏡花が題材 金沢、野々市で峰守さん小説PR(北國新聞2023/8/8)

少年の鏡花が題材 金沢、野々市で峰守さん小説PR|生活|石川のニュース|北國新聞

 

泉鏡花は「古い怪異が好きなんだけど、同時に近代的な視点を持ってる人」と思いました――『少年泉鏡花の明治奇談録』峰守ひろかずさんインタビュー(ナニヨモ2023/8/18)

naniyomo.com

 

「『すぐ近くの異世界にいる、人間より格上で畏怖すべきものたち』という妖怪像は戦後のフィクションの定番ですが、これが根付いた背景には鏡花の影響がめちゃくちゃあるんじゃないか」「あの時代にこのタイプの妖怪像を発明しただけでなく、このタイプの怪異を何作も何作も書いたことでジャンル化を飛び越えて定番化させたのは泉鏡花だったんじゃなかろうか」というのは「少年泉鏡花」を書く前から感じていたことでしたので、新聞というメディアに載せてもらえたのはありがたかったです。

 あと、「主人公を『人の子』とか『少年』などと呼ぶ長命な超常存在であるお姉さんキャラ(性格は姉御系だったり清楚だったり母性に満ちていたり)は現代のフィクションの一部ジャンルの定番で、今でも少年漫画でお馴染みですし、ファンタジーやSF系のソシャゲなら一人はいるわけですが、これを一人で立ち上げてジャンル化したのも鏡花だと思うんですよ!」という話も取材の度にしていたんですが、この部分はなぜか記事にならなかったのでここに記しておきます。

 泉鏡花幻想文学自然主義の大家な文豪であることは言うまでもなく、共同体から疎外される弱者への共感や寄り添いをあの時代にストレートに書いてたのも凄いと思うんですが、それはそれとして、怪異系のフィクションのお約束を作った先達という見方もあるんじゃないかなーと思うわけです。

 意外と気さくな年上美人型畏怖的存在が好きな人は読もう泉鏡花