峰守雑記帳

小説家・峰守ひろかずが、見聞きしたことや思ったことを記録したり、自作を紹介したりするブログです。峰守の仕事については→ https://minemori-h.hatenablog.com/

妖怪手ぬぐい展を見てきました

 京都に行く用事があったので、烏丸御池近くの「てぬぐいアーカイブ 細辻伊兵衛美術館」にて、「昭和の怖い手ぬぐい 妖怪展」を見てきました。

 

 タイトル通り、昭和初期(だいたい8~9年頃)に作られたお化けっぽいモチーフの手ぬぐいの展示です。

 描かれているのは主に骸骨、鬼、河童、狸、猫、人魚あたりで、戦後の妖怪ブームで「お馴染みの妖怪」がドカンと増える前は一般人にとってのお化けがどういうものだったのかがよく見えてきます。

 

「その時代の○○がどう認識されていたのか」は一点物の芸術品よりもむしろ普段使いされる日用品にはっきり出ると思うわけで、そういう意味でも面白い展示でした。狸や河童は和風で古風でほのぼのしてるのに、骸骨を扱うとセンスがモダンになるのが楽しい。

 

 学芸員さんにも色々話を聞かせてもらいまして、明治になって染め方が新しくなったとか、販促用の配布物としてオーダーを受けて作った物が多いとか、絵や玩具とは違うジャンルならではの特徴を色々教えてもらいました。

 というわけで展示内容も良かったんですが、ここ、展示施設としても面白くてですね。

 受付とミュージアムショップは明るくて白いんですが、展示室は真っ暗で、入口が最初どこにあるか分からないくらい暗いんですよ。で、入ってみると真っ暗な部屋にバックライトに照らされた手ぬぐいが並んでいるという、手ぬぐいを見せることに特化したクールな施設でありました。何の補正もしない写真でこのカッコよさですよ。

 

 あと、二階には画家の柳生忠平さんがイベントで描かれた一反の妖怪手ぬぐいが展示されておりまして、全部の妖怪に名前が書いてあって、オリジナル妖怪は(オ)の表記が入ってるんですが、「フエタイ」ってのだけ分からなかったんですよね。

 何者なんだフエタイ(フユタイかも)。出典ご存じの方は教えてください。