福井県文書館ほかで開催中の「マット・マイヤーさんのイラストで読む越前奇談怪談集」見てきました。越前ゆかりの地誌や逸話集に記されたローカル怪談を、出典資料&現代語訳とマット・マイヤーさんのイラストで見せる特別展。
福井妖怪といえば外せない(個人の感想です)床下の自称ぼた餅に始まり、柴田勝家の亡霊、なんか海中から出てきて神に捧げた刀を持って行った牛、千匹狼系の話かと思えば「狼が化けていた婆さんの子孫はみんな狼の毛が生えていた」というオチが付くやつなど、具体的かつユニークな話が多くて面白うございました。
夜叉ヶ池にちゃんと夜叉が出てくる話も初めて見た。
担当の長野さんからお話も伺えたのですが、白山の神としておなじみの九頭竜は案外ビジュアル化されていないという話はナルホドでした。言われてみると見たことがない!
個人的に、ちょうど城下町ゆかりのローカル怪談集(「私家版金沢妖怪事典」発売中です)作ったところだったので、金沢と似てる要素も見つけられたりして興味深かったことです。「『カワウソがアイスを持ってきた』って書いてあるんですが、このアイスって何か分かんないんですよね」というお話に、「あっ金沢にもありますよその話!(金沢妖怪事典の1頁を開く)」と返せた時はちょっと興奮しました。
というわけで地域に根付いた怪談奇談の面白さを味わえる、いい展示でした。紙ベースでも持っておきたいので出版されますように。
あと、なまず坊主とイモリの群れが可愛かったです。