タンバティタニス(丹波竜)で恐竜好きにはお馴染みの兵庫県立・人と自然の博物館にて、「妖怪と自然の博物展」見てきました。
妖怪扱いされた動物たちや、実在の動物や自然現象がネタ元かもしれない妖怪などについて展示・解説するという趣向の妖怪展。妖怪そのものを展示できるわけではないので、見られるのは妖怪扱いされたものたちの標本が主なんですが、実際にはこれくらいの大きさというのを見られるのは面白かったです。
そうかテンはイタチより大きいのかという気付き。いつもお世話になっております。
というか、妖怪ものばっかり読んだり書いたりしてると、想定する狐や狸の大きさがどんどん人間に近付いていくことってありませんか。僕はあるのですが、実際の大きさを見ることで脳内イメージをリセットできた気がします。
キツネもタヌキも意外と小さいのだなあ。
ヘイケガニもイメージよりだいぶ小さかった。脳内では1mくらいはあったんですよ。
逆に想定より大きかったのが、河童の正体(かもしれないものの一つ)のニホンカワウソ。標本を見た時の体感としてはニホンザルよりデカい! これがそこらへんの川にいる光景を想像すると相当魅力的で、なんで絶滅させちゃったんだよと改めて思いました。愚かな地球人め。
紹介されてるのはメジャーな妖怪が中心ですが、知らなかった説やローカル妖怪を知ることもできまして、海坊主の正体がスナメリの群れかもね、という話はナルホドでしたし、地元妖怪では沼島女郎(ぬしまじょろう)が印象的。
要はオコゼなんですが、美人があえて醜く描いた自画像が実体化したというもので、パネルの紹介文が身も蓋もなくて味わい深かったことです。「能力:とても不細工な顔で釣り人に釣られる」!
また、実物が存在しない系の妖怪では「怪音」という小豆洗いやヌエなど音声主体の妖怪の音を聞かせてくれるブースがありまして、みんぱくでやってた「驚異と怪異」展にも似た展示がありましたが、こういうのは専門施設ならではのやり方でいいですね。家ではなかなかできないので。
実際に暗闇で聞くヌエの声は大変怪しく物悲しく、しかしこれ猿の顔の怪獣の声じゃないよなーとは思いました。あれはクチバシのある小動物の声だよ! と思ってしまうのは現代人だからなのだろうなあ。
というわけで満喫してきました。
あと、これは妖怪展とは関係ないんですが、最近できたという新しい収蔵庫(棟)では鳥類を中心とした標本展示室をガラス越しに見ることができまして、先日ヌエを読み終えて邪魅や巷説百物語にさかのぼってる身としては「ウワーッ『陰摩羅鬼の瑕』! 『陰摩羅鬼の瑕』だよ関口君!」と思いました。おわり。