峰守雑記帳

小説家・峰守ひろかずが、見聞きしたことや思ったことを記録したり、自作を紹介したりするブログです。峰守の仕事については→ https://minemori-h.hatenablog.com/

アニメ6期ノベライズ「ゲゲゲの鬼太郎」5巻(最終巻)出ます

 昨年から、「ゲゲゲの鬼太郎」のテレビアニメ第6期の児童書でのノベライズを手掛けさせていただいています。水木作品から妖怪に入った人間として滅茶苦茶光栄なお仕事なのは言うまでもなく、一巻執筆時、パロディでもオマージュでもなく堂々と「ぬ~り~か~べ~」と叫ぶぬりかべを書ける興奮に、峰守は打ち震えたと言います。

 正直、最初の依頼の時に「君に任せるためには金が要るんでね……」とか言われたら素直に言われた額を振り込んでたと思うんですが、幸いにしてそういうことはなく、報酬もいただいております。助かります。

 丸二年分あるアニメなので、さすがに全話をそのままノベライズできるわけもなく、抜粋された話をノベライズする形でやらせていただいてまして、エピソードのチョイスは先方の指定によるものです。最初は本筋に関わるイベント編やバトル編だけになるのかなと思いきや、意外にそんなこともなく。

 ノベライズ担当者としては、あたかも「実相寺昭雄監督作品ウルトラマン」みたいな(伝われ)異色作揃いの3巻をやらせてもらえたのは、一話完結エピソード好きとしても鬼太郎ファンとしてもありがたかったです。

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 特に、一市民の視点から太平洋戦争を追憶する「妖花の記憶」を手掛けさせてもらえたことについては、もう作家を引退していいとさえ思った……というのはまあ過言ですが、まあそれに近いことは思いました。ほんとに。

 

 おかげさまで刊行は無事に続き、現時点で四巻まで出ているのですが、その最終巻にあたる第五巻「名無しと真名」が来月(2023年10月)に発売されます。

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 収録エピソードは、アニメ一年目の後半の山場であるバックベアード編の完結と、同じく一年目のクライマックスである名無しとの決着編。総力戦で戦って打ち勝つベアード編の後に力押しでは倒せない名無し編! というのは、一冊の本としてもいい対比になったかなと思います。なお、これまでの巻より値段が高いのは純粋にボリュームが多いからです。詰め込みました!

 アニメありきのノベライズなので当然ながらストーリーは基本的にそのままですが、アニメを見てない読者様でも全五巻の読み物としてもきっちり読み終えられるようにまとめたつもりです。

 なので、「いつまで続くか分かんねえしなあ」とか思って購入を躊躇われていた方や図書館関係者の皆様におかれましては、ぜひぜひこの機会にお買い上げいただければ幸いです。

 発売の翌月には6期の前日譚(?)にあたる映画が公開ということで、6期もここで一段落、ということなのかもしれません。違うかもしれませんが。

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 というか、鬼太郎って何度も世に出ている作品の割に(だからこそ?)「ここで終わります!」という話ってあんまりない印象なんですが、まさかそこに自分が首を突っ込めるとは思いませんでした。今になってプレッシャーがすごい。ともあれよろしくお願いいたします。

 ノベライズの思い出話や感慨などは最終巻の発売後に改めて書くつもりですが、6期の視点人物であるところの犬山まなさん(要敬称)がめちゃくちゃ書きやすかったので大変助けられた! ということだけは言っておきたいところです。巻き込まれ経由自主的首突っ込み型の善性及び正義感強めで人外にもフレンドリーに接する気さくでフランクで元気で明るい純粋人間主人公、あまりにも大好き。