峰守雑記帳

小説家・峰守ひろかずが、見聞きしたことや思ったことを記録したり、自作を紹介したりするブログです。峰守の仕事については→ https://minemori-h.hatenablog.com/

福島の妖怪スポット(?)を巡ってきました

 2025年8月9日に福島県川俣町で開催された妖怪シンポジウムに登壇して参りました。

 その時の発表内容は、現地の白澤彫刻訪問記と合わせて更新できればと思うのですが、せっかく福島まで行くのだからということで周辺の妖怪がかったスポットを巡ってきました。

 

1.福島稲荷神社

 

 

 福島駅から徒歩十分ほどの位置にある神社で、ここは大陰陽師安倍晴明が開いたとされています。晴明は福島にも来ていたんですねー。さすが大陰陽師伊能忠敬ばりに全国を訪れておられる。

 ちなみにこの神社、祭神はトヨウケヒメオオクニヌシコトシロヌシということで、お稲荷様が不在。なぜ「福島稲荷」なのか気になるところです。

 


 訪れた日はちょうど七夕ということで灯篭が灯っており(というか、この日は時間があったので、夜になると灯篭が点くよと教えてもらったので、暗くなるまで境内にいました)、ほんのりと荘厳でした。

 

2.王老杉(おろすぎ)稲荷神社

 

 毎日新聞の記事(↓)によれば、昔、巨大な杉の木を伐り倒したら怨念が「杉鬼」になって祟ったので、朝廷より派遣された晴明と芦屋道満が鎮めたという逸話のある神社だそうです。

解キメキ!:Q 安倍晴明の墓が福島にあったって本当?/上 謎の「セイメイハラキリバ」 /福島 | 毎日新聞

 ご存じの通り晴明と道満は宿命のライバルなわけで、そんな両者が強敵を前に共闘するというのは実に燃える展開です。

 ゆくか。ゆこう。ゆこう(道満の声)。そういうことになった!!!

 ……もっとも、現地である王老杉稲荷神社の碑には晴明の名も道満の名もなく、杉の霊を鎮めたことしか書かれていないので、伝承のパターンはいくつかあるようです。

 


 ちなみにここ、ぱっと見は田んぼの中のちょっと広い畦道という感じで、うっかり鳥居を見落とすと存在に気付けないほど小さい施設です。鳥居の奥に小さな石造りの祠と杉の木があり、抜けるような背景との組み合わせはすごくいいんですが、遠目からだと神社には見えないんですよね。見晴らしのいい場所なのにかなり迷いました。

 

3.セイメイハラキリバ

 これまた毎日新聞の記事(↓)によれば、先の杉の木の霊を鎮めた後に晴明と道満は対立し、勝負に負けた晴明は腹を切って死んだそうです。衝撃的な展開ですが、晴明の遺体を葬ったのが「セイメイハラキリバ」です。

「光る君へ」登場の陰陽師の墓が福島に? 安倍晴明の不思議な伝説 [写真特集1/8] | 毎日新聞

 というわけで面白げなスポットなんですが、これ、場所がはっきり定まってないようなんですね。

 どうも福島駅東口のあたりらしくて、写真も撮ったんですが(というか普通に通ったんですが)通行人の方々が写り込んでいたので掲載は控えます。この辺で晴明が自害したのか……などと思いながらウロウロしてきました。

(多分そこでは死んでないしそもそも晴明は京都から出てないんじゃないすかね)

(うるさい!)

 

4.UFOふれあい館


 UFOは妖怪か? という疑問もおありでしょうが、UFOは未確認飛行物体であり、未確認飛行物体は怪異であり、怪異は妖怪みたいなものなのでまあいいだろうということで。

 何と言いますか、往年のUFOブームのノリを感じるというか、手作り感あふれるキッチュでファジーな施設で、先に訪れた同じくUFOの町であるところの羽咋市のコスモアイル羽咋が意外に真面目な宇宙開発博物館だったのとは対照的でした。

 

 サラッと置いてあるCIA秘密文書の衝撃よ。

 

 ただ、「UFO目撃情報」のパネル掲載内容がごくごく最近のものまでカバーしていたのには驚かされました。アーノルド事件とかはさすがに知ってますが、2020年以降のUFOのことは全然知りませんので普通に勉強になりました。

 そうか、2024年に自衛隊の演習場でUFOが目撃されていたのか……!

 

 あと、これは館の外ですが、「UFO道」にかなりウケました。ぱっと見では分からなかったんですが、口に出してみてダジャレだと気付くという。

 

 というわけで堪能しましたが、施設の向かいにあるUFO物産館のラーメンを食べ損ねたのが残念です。行った時にはまだ食堂は空いてなかったのじゃよ。

 

5.猫稲荷(川俣町)

 

 白澤の彫刻が残ることで知られる川俣町の山中にある稲荷社です。

 蚕を害する鼠を捕る猫を祀ったものとされていますが、シンポジウムの登壇者のI氏から聞いたところによると全然別の説もあるとかないとか。

 ここ、猫を掲げた鳥居もインパクトありましたが、何よりそのロケーションに驚かされました。

 

 普通、鳥居の向こうって参道じゃないですか。いきなり山肌なんですよ。

 一応、左上に向かって登れるような坂もあるんですが、ここを行くと即座に草むらにぶつかり、その奥は普通に茂みという。具体的にはこういう(↓)感じです。

 


 さすがにこれが道なのかどうか怪しかったので引き返してしまったんですが、後で現地の方に聞いたところによると、この道(?)を進むのが正解だったそうです。難しいニャー。


6.ねこ稲荷(信夫山)


 猫稲荷は福島市内の信夫山にもあるんですね。今日は俺とお前でダブル猫稲荷だからな!

 境内には猫稲荷の名前にちなんで猫の写真を貼るボードもあったりして、訪れる人も多いようでしたが、ここは猫稲荷と言いつつも、改心して蚕を守るようになった化け狐を祀ったところなんですね。

 


 じゃあそれは狐稲荷じゃないのか。狐稲荷だと普通過ぎるから名前を変えたのか。伝奇好きの素人考えだと別の由来があるんじゃないとか思ってしまったりもするんですが、謎です。

 

 ちなみにここは信夫山公園の中に位置しておりまして、カーナビを見ると近くまで車で行けるみたいだったので気楽に向かいましたが、曲がりくねって高低差の激しい一車線の山道を延々走らされて泣きそうになりました。途中の駐車場に停めて歩いた方が無難だったかもしれない。

 

 しかし福島稲荷に王老杉稲荷にダブル猫稲荷と福島は稲荷が多いですね。まあ稲荷神社は日本中にあるんですが、今回訪ねたところは稲荷と名乗りつつお稲荷様(ウカノミタマ)を祀ってるわけでもなさそうなのが謎です。

 

7.黒塚(観世寺)

 

 安達ヶ原の鬼婆伝説でお馴染みのお寺です。

 川の近くの開けた土地にあるんですが、境内に入ってみるとレッドキングが投げそうなバカでかい岩がゴロゴロしており、ビビりました。特に鬼婆が住んでいたとされる「笠岩」は今にも落ちてきそうな迫力があり、これは見に来て良かったと思いましたね。

 

 また、ここの境内には宝物資料館もありまして。拝観者があると照明とエアコンをつけてくれるような小さな施設でしたが、展示物が凄い。

 

 

 

 鬼婆が殺人に使っていた包丁とか、被害者から取り出した内臓を入れた壺とかが普通に置いてあるんですよ。実在したのか。

 

8.へたれガンダム

 オールドネットユーザーなら百回は見ているであろうあのモビルスーツです。これももう怪異みたいなもんだろうということでここに載せておきます。

 

 私は農村にSF的な異物がいる風景が好きなので(最近だと「ウルトラマンオメガ」の第5話が良かったですね)、中途半端に大きい白いモビルスーツが畑や山を背景にヌボーッと立つ様は大変よろしかったです。

 

 

 休憩がてらしばらく見てましたが、県外ナンバーの車やバイクが入れ代わり立ち代わりやってきて記念撮影しており、立派な観光スポットなんだなあと実感しました。

 

 

 そんなガンダムの足元には「in all your endeavors happiness be with you」と記された賽銭箱が。

 これ、最初見た時は「初代ガンダム劇場版三部作のラストのフレーズか! 粋だな!」と思ったんですが、冷静になると全然違いました。

 映画のラストのあれは「And now… in anticipation of your insight into the future.
(そして、今は皆様一人一人の未来の洞察力に期侍します)」ですね。よく勘違いできたな僕。

 

 余談ですがガンダムといえば最近ZZを全話見ました。ジュドーが記憶より数倍いい主人公で、特に、ラスト一話前でグレミーに「こっちには大儀があるんだ」と説かれた時に「うるせえ!」ってキレることなく、ちゃんと言葉を選んで反論するくだりがかなり好きです。

 

 というわけで、福島妖怪スポット探訪記でした。福島にはまだまだ面白げなスポットがあるので、また行ける機会があれば色々足を伸ばしてみたいですね。

 この手に触れ 光 一千万年……