峰守雑記帳

小説家・峰守ひろかずのブログです。主に新刊やイベントの告知に使っています。峰守の仕事については→ https://minemori-h.hatenablog.com/

アジア遊学325「柳田国男と妖怪」に寄稿しました

 勉誠社から2026年9月末に刊行された論考集「アジア遊学325 柳田国男と妖怪」(石井正己・香川雅信編)に寄稿しました、というお知らせ記事です。

 

bensei.jp

 

 以下は公式サイトより引用した本書の紹介文です。こういう本です。

柳田国男と妖怪、というテーマは、意外なことにこれまであまり論じられてこなかった。
しかし実際には、柳田はかなり初期の段階から妖怪に強い関心を持っており、昭和初期にその民俗学が明確に体系立てられた時には、最も重要な意味を与えられることになったのである。
「妖怪」は、柳田国男の「最初の疑問」であり、その民俗学の隠れた原動力でもあった。そして「最後の失望」であり、いまだ解き得ない謎として、その後も残されたのである。
柳田はどのようにして妖怪に興味を持ち、研究を進めていったのか。
柳田国男の手になる妖怪辞典として受容されている「妖怪名彙」の本意はどこにあったのか。
現在、柳田国男の妖怪研究はどのような形で活用されているのか。
「柳田妖怪学再考」「『妖怪名彙』の逆襲」「拡大する柳田国男」という三部により、「柳田国男と妖怪」の過去・現在・未来をそれぞれ見通し、柳田国男の思想を俯瞰しつつ、その「妖怪」に関する思考について論じる。

 

 なお、目次はこういう感じです。(こちらも公式サイトよりの引用です)

はじめに――柳田国男の妖怪研究と本書の位置づけ  香川雅信

第1部 柳田妖怪学再考
柳田国男と播磨の怪談  石井正己
『妖怪談義』の地層を読む  佐藤健二
声の文化としての妖怪――柳田妖怪論を読み直す  伊藤龍平
【コラム】柳田国男と七不思議  横山泰子
よみがえる残存――妖怪の症状的時間性  廣田龍平
平田篤胤と柳田国男の妖怪観――幽冥への視座をめぐって  今井秀和
青森の河童・北海道の河童――柳田国男が向けた「メドチ」と「ミンツチ」への視線 
太田原潤
【コラム】青森における近世の河童関連資料  太田原潤
柳田国男の「祟り」論と『郷土生活研究採集手帖』  大江篤

第2部 「妖怪名彙」の逆襲
「妖怪名彙」をさかのぼる  化野燐
「妖怪名彙」のコナキジジ  香川雅信
小豆洗い隨考  木場貴俊
妖怪名を収集する――『現行全国妖怪辞典』についての一考察  木下浩
【コラム】「スナカケババ」の謎――奈良の話を中心に  木下昌美
奈良のジャンジャン火――怪火伝説の特徴と意味  齊藤純
ツチコロビについて――「妖怪名彙」における視点の考察と現在の伝承 小林光一郎

第3部 拡大する柳田国男
活用される柳田国男――創作の中での日本民俗学の父の軌跡  峰守ひろかず
【コラム】韓国の妖怪研究における柳田国男の可能性  金容儀

【附録】「柳田国男と妖怪」参考文献目録  沖山槙之介

 

 上記の目次の通り、第3部「拡大する柳田国男」に掲載された「活用される柳田国男――創作の中での日本民俗学の父の軌跡」が私の書いたものとなります。

 

 タイトル通り、柳田という研究者やその研究成果は近現代以降のフィクションで何がどう使われてきたか(何が使われなかったのか)を概観する内容で、具体的には、泉鏡花、水木しげる、荒俣宏、横溝正史、五木寛之、手塚治虫、井上ひさし、諸星大二郎(順不同・敬称略)などの作品を取り上げております。

 柳田の研究成果を活用させまくってもらっているイチ創作者として、リスペクトと申し訳なさを込めつつ書きましたので(その手のジャンルがお好きな方には既知の話ばかりかもしれませんが)ご笑覧・ご活用いただければ幸いです。

 

 編者の石井・香川両先生以下妖怪研究界で名を知られた先生方が揃っておられる中に研究者でもない人間(私です)が混じっており、しかも3部の論考担当は私だけというのは何とも恐縮というか申し訳ないところもあるのですが、声を掛けていただけたのはたいへん光栄でした。改めてお礼を申し上げます。